強くなるということ

加筆修正・訂正しながら書いています。よかったらどうぞ
R4/5/25から
上達法はどの世界でも共通するものだと思います
 後にも書きますが将棋の上達に欠かせない基本的勉強法に「棋譜ならべ」「詰め将棋」「実戦」というものが昔から言われています。棋譜ならべの「棋譜」とは対局時の指し手順を記録しているものです。実戦録画と同じものでしょう。そのときの戦形や相手の癖、得意技等を検討・解析して次の対戦時の参考や上達の参考にします。

 詰め将棋とは王手(玉を取りにいく直接手)の連続で玉を捕まえる問題のことです。駒の働きを120%引き出す手順が多く一つの芸術作品といえるものも多いです。将棋は相手の玉を先に取った方が勝ちというゲームですから詰め将棋問題集を解くことは必須ともいえる訓練法です。私は常々子供たちには「アスリートでいえば筋トレやランニング、素振りのようなもの。」と例えて「テレビに出てくる有名選手でやらない人は一人もいないよ」と言っています。しかし地味で面倒くさい(笑)

 実戦とは文字通り実際に対局をして鍛錬する方法です。ミニ大会や練習試合などをどこもやっているように頭脳の格闘技「将棋」の世界でも例外ではありません。しかしながら体を使う競技とは違い一日に10局、20局とできるのがチームや特設会場が必要な競技とは違いますね。プロ棋士の中に修業中は一日30局、年間一万局は実戦していたという話はよく聞きます。
中途半端な強さじゃダメ 
 将棋には強さを示す「段・級」というものがあります。努力すれば三段までは自己流で誰でもなることができます。私が子供のころ町道場で指しているおじちゃんたちがそのくらいでした。勝った負けたと騒いで気軽に一番将棋を楽しめる段位なのかもしれません。今も昔も変わらないように思います。三段というと高段者です。しかしまだまだ中途半端な強さといえるでしょう。真の将棋の面白さはその上からさらに大きく広がっていくのです。わっかるっかなー。古っ!(笑)
強くなるために必要なこと
 それ以上になるためには定跡の力を借りそしてその理解度を高めることが必要になります。つまり先人から受け継いだ過去からの経験を積み上げてきた手順。そして今現在のトップ棋士がさらに更新していく手順というものが「定跡」といわれるものです。昔から「棋譜ならべ」「詰め将棋」「実戦」が上達に欠かせない勉強法といわれています。
あなたはどこまで強くなりたいですか?
指導者の能力にも限界があります。そのあなたの気持ちの強さこそが「将棋」が強くなるために必要なことの一番初めに来ることです。

「棋譜ならべ」
 私の友人であるプロ棋士がまだ級の低い弟子には「プロ棋士の棋譜を並べるときは先輩と一緒に並べるか、解説付きのものにしなさい」と指導しています。つまり、まだ理解するには実力不足ということです。これは弟子、つまり奨励会に入りたての子に対するアドバイスです。奨励会の一番下の級は6級ですがアマチュアの四、五段くらいないと合格できないくらいのレベルですよ。それでも理解できない程の難解な将棋をプロ棋士たちは指しているということです。
○みんなも知ってる有名棋士で自身もA級、弟子もA級になっています。

 解説付きといっても原稿の文字数の関係で言いたいことを全部解説できていないことが十分に考えられます。AIとて必ずしも正しいとは言い切れない部分もありさらに一秒に1000万手読んでいる手順を示されても上達途中のみんなには理解できないと思います。プロ棋士でも「人間には指せない手ですね。」と言っているのを聞いたことがあると思います。一緒に検討しているその場にいる一番強い人の意見、将棋に対する姿勢によるので生半可な人と一緒に並べるのはかえって上達の妨げになります。

「詰め将棋」
 前にも書いたように、「将棋」の決着は相手の玉を先に取った方が勝ちとなるゲームです。したがって上達には詰め将棋を解くことが重要な特訓法ですが地味で面倒くさいのです(笑)。どの分野でもそうですがレベルが上がって難しくなってくるとやるのが億劫になるものです。そこで私は子供たちに「問題の図はあなたに手番が回った必勝の局面。1手詰めならあと1手で、3手詰めならあと3手で相手が「負けました」といって投了し、君の勝利が確定する場面なんだよ。」この位の手数はしっかり勝ち方がわかるようということです。こぼれ話でも書きましたが、長手数でも苦にならないことが指導するにあたってこれが非常に役に立っています。「長い詰みより短い必至」と逃げ口上には「17手詰めまでは短編といって短い部類なんですが。」ときっぱり言いましょう(笑)

 私の教室では有段者や有望な子には月刊誌「将棋世界」の詰め将棋サロンの全問を次の刊が出るまでに解くこと、つまり1ケ月以内に全問正解するように指示しています。無理と言ってしない子はそこまで。頑張って続ける子は間違いなく四段以上になっています。指導者の役割としては先に解くことと、なかなか進まない子にはどこで読みが止まっているか聞いてヒントを挙げて詰ませるように持って行くことです。あとは正解していても違う応手を問うて変化手順も理解しているかを見てあげることです。先に解かないと、また不正解だと子供たちはなめてきますよ~。 こわっ(笑)
○次号まで解答がわからないこととそのくらいの期間同じ問題を考えることで脳内将棋盤を作ることが目的です。
○指導者の高年齢化や能力不足をソフトでカバーするのもいいと思います。私は何歳になっても自分で解きたいですね。

「実戦」
実戦には「10秒将棋」や「3分切れ負け」のような超早指し対局。初手から30秒もしくは60秒の早指し対局。15分の30秒などの持ち時間とその後の秒読みを付けた一般大会仕様の対局。持ち時間30分以上のじっくり対局などなどどの方法が上達に向くのか。答えはすべて上達に役に立ちますと言えます。簡単に説明すると。短い時間で数局させる「10秒将棋」は同じ形を何回も指して序盤の知識習得に優れています。「切れ負け将棋」は持ち時間の差で勝てる理屈がわかると将棋の上達には役に立たなくなります。つづく
AIとの付き合い方
  
 
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